帝王切開で3人の子どもを授かりました。1人目と2人目の間は20ヶ月、2人目と3人目の間も20ヶ月開いています。考えてみたら、子どもが生まれて10ヶ月で、妊娠しているわけです。
最初の子を妊娠したとき35歳だったのと、逆子だったせいで予定帝王切開でした。帝王切開で出産することに対して、夫を始め自分の両親も義父母も何も言いませんでした。私も医師に帝王切開を勧められたときに、別になんとも思わず承諾しました。結局、3人とも逆子だったし、自分の年はどんどん増えていくしで、3人とも「当然」のごとく帝王切開で生みました。帝王切開でこんな短期間に3人産んだということで、今になって驚かれますが、当時、私の周りでは「そうなんだ」と、あくまで普通に受け止めていたようです。担当医は「3人、ぜんぜん問題ありません。」と太鼓判を押していました。
当時私は、エレベーターのない社宅の4階に住んでいました。お腹が大きくなってから子どもを抱いても、産道がしっかりしているせいか何事も起こらないような気がして、平気で子どもを抱いて4階まで階段を上っていました。さすがに3人目を産む直前に、両脇に3歳と1歳の子どもを抱えて階段を上がってきた私を見た近所の人は、のけぞって驚き、奪うように1人抱いてくれました。時々心配になって、検診の時に「大丈夫でしょうか」とたずねると、医者は「何が?」とでも言うような表情をして、検診の後も「順調です」と一言。最後まで計画通りでハプニングは起こらず、淡々と手術も終えました。
出産に対してはこんなにも体力があって丈夫だった私ですが、子育ては、やっぱり40に手をかけていたせいか、周囲のヤングママと体等にはできません。おまけに次々に妊娠していたので、同じぐらいの小さな子と遊ばせようにもそうはいかずに、早めに幼稚園に入れましたが、何かとてこずらされます。
「かわいくって、かわいくって」と、とても書けない冷めた私ですが、寝顔は本当にかわいいな、と思います。私が冷めていることも、子ども達がやんちゃなことも、帝王切開とは全然関係ないことだと思います。きっと自然分娩でも私も子ども達も同じだったと思います。
感謝すべきは、私に何にも言わなかった周りの人たちかも知れません。やっぱり帝王切開で子どもを産んだ友達は、心無い他人の言葉に傷ついていました。もしかしたら、気がつかない鈍感な私なのかも知れませんが、帝王切開って、出産法の一つで、その必要性があれば、なにもかも当たり前で普通のことなんだと思います。
帝王切開をするということは、危険が本当に迫ったときのみです。そして、母親がこうしたリスクを賭してまで赤ちゃんを守ろうという決断だといえまです。だからこそ、お腹の傷は勲章だと言われているのではないでしょうか。帝王切開で赤ちゃんを産むと、次のお産も帝王切開を薦められることが多いです。
育児をしながらも次の赤ちゃんを産むときは陣痛を体験したいなと思っていても、医師が受け入れてくれないことがあります。それは胎盤の癒着なども、手術をしていない人とくらべてみるとおきやすくなっているからです。逆子は回転術という手段もありますが、医学的な理由で医師から帝王切開を薦められた人があります。
その中にも、明らかに帝王切開にした方がいいケースもありまししグレーゾーンという人もいます。たとえば逆子で帝王切開を考えたのであれば、妊娠中に医師がお腹の上から赤ちゃんを動かす「外回転術」という方法も考えられるのです。これは、すべての人にうまくいくというわけではありませんが、かなりの率で逆子が返ります。
その地域に知られている回転名人の医師を口コミで探してみたり、かかっている医師に聞いてみるとよいでしょう。「前回のお産が帝王切開だったから」という理由の場合は、これは、医師によっては経腟出産でも受けてくれるかもしれません。思い切ってセカンドオピニオンについて求めることも考えてみるとよいでしょう。
帝王切開なら陣痛がなくて出産は楽なのでしょうか?ほとんどの人はできれば避けたいと思っている帝王切開なのですが、実はあまり抵抗感を感じないという人もなかにはいます。また帝王切開が増えているのではないかという声があるようです。厚生労働省は帝王切開の件数を調査しています。最近では医師不足なのですが、帝王切開の増加は考えらます。
その背景には、医療訴訟の増加や晩婚・晩産化も関わっています。また女性の気持ちにも変化の兆しがあります。最近では経腟出産への不安が高まっているようです。麻酔出産か、いっそ帝王切開で産むのもいいかも、という声もなかには聞かれるようになりました。「手術もこわいけれど、お産の方がもっとこわい」ということなのです。
かなり安全性が高くなったとはいっても帝王切開はれっきとした開腹手術です。陣痛のかわりに術後は麻酔が覚めるともちろん痛みがありますし、その傷は残ってしまいます。稀なことですが、手術の弊害として血栓ができやすいということがあるようです。これは母体に生命の危険が迫るほど大変なことなのです。
帝王切開をおこなう場合、産院の丁寧な説明とケアが必要になるのではないでしょうか。現在のお産がどのような状態であるのか、そしてどういった理由で帝王切開が必要になるのか、また産後のリスクにはどのようなものがあるのかといったことの説明もしないで有無を言わさず医療介入となってしまったケースは心に傷が残ってしまうようです。
「陣痛を体験したい」という人にたいしては、一度自然に陣痛がついてから帝王切開の手術を行ったり、帝王切開をした後でも赤ちゃんを胸に抱くカンガルーケアをしていたり、また母乳育児のサポートをしているような産婦さんにたいしてきちんとした配慮をもってケアをおこなっている産院ももちろんあります。
だからこそ「帝王切開について何も知らなかった」ということではなく、妊婦さんの時期に事前に正しい知識を勉強しておくことも大切なことなのです。産院から説明があったとしても自らが積極的に納得いくまで説明を求めるというような姿勢も大切になるのではないでしょうか。自然分娩の場合は産道といういのちの道を回ぢりながら赤ちゃんは産まれきますが、何らかの理由で自然分娩が難しかった場合は、たくさんの人にいのちの道を作ってもらい見守られながら産まれてきたということを頭に入れておくとよいでしょう。