抜糸

抜糸

帝王切開の手術の縫合に使われるものは、従来から使用されてきた糸のほかに、時間が経って傷口の回復とともに自然に溶けてしまう吸収糸、ステープラーという見た目も使用方法もホチキスのようなものなどです。何を用いるかは、必要性と執刀医師の判断によります。

 

抜糸が必要になるのは従来の手術縫合用の糸です。傷の回復具合を見ながら、大体1週間前後で抜糸が行われます。人の体の傷は、自然に任せると傷が広がっていく方向に力が働いてしまいます。それを押さえて傷口を寄せているのですから、縫合の引っ張る力は相当に強いものだといえます。ですから、傷跡の痛みとは切ったことそのものの痛みもさることながら、縫合によって周りの皮膚や組織が引きつられる痛みが大きいのです。

 

それが傷口がくっついて抜糸を行うと解放されたように楽になります。自然に溶ける吸収糸で縫ってある場合でも、あまりにも引きつり感がきつい場合には抜糸を行うこともあります。抜糸といっても糸を全部抜くということではありません。一目ごとに結び付けてある目を切っていくのです。それによって肌を強引に引っ張っていく力をほぐします。

 

ステープラーは、芯そのものをお腹から抜きます。こちらも傷の回復具合を見て、同じように1週間前後で抜いていきます。抜くときは垂直方向にすっと抜けていくので、痛みはあまり強くはありません。術後に残る傷跡も、ステープラーのほうが早くきれいになるようです。

 

抜糸の後は、傷口が開かないように、きれいに治るように傷と垂直方向に張るテープがあります。病院で処置してくれるところもあります。もちろん、自己判断だけでテープを使用することは、傷口の悪化を招く危険性もあります。しばらくは、衣類などでこすれると傷は痛みますから、保護の意味でも使用を医師に相談してみるのもいいかもしれません。