帝王切開体験談A

帝王切開体験談A

帝王切開で生まれた長男も、2歳3ヶ月になりました。前置胎盤だったための帝王切開でしたが、現在妊娠6ヶ月、今度は自然分娩で出産する予定です。初めての自然分娩にどきどきしています。けれど、いつでも帝王切開に切り替える覚悟はできています。赤ちゃんと私の命、こんなにかわいくて仕方のない長男のお母さんである私と、妹か弟になるお腹の赤ちゃん、何よりも大切だからです。

 

長男が生まれたとき、帝王切開で出産することは何も疑問を持っていなかった、はずでした。退院して10日間母に来てもらってその後は、マイペースでゆっくりと育児に取り組むはずでした。夫は転勤族のため私の実家も主人の実家も遠い所に住んでいます。おむつは最初から紙おむつと割り切って、夫と私の夕飯もしばらくは栄養バランスが良くて添加物も入っていない業者から宅配してもらう手配もできていました。

 

私はゆっくりと子どもと過ごせるはずだったのです。けれど、私の体が言うことを聞いてくれないんです。頭痛やだるさが抜けなくて、時折痛む手術の傷跡に「あー、お腹切ったんだ」とつくづく思い知らされました。母が「無理しても休まないと」と言っても、泣き止まない長男を母があやしてずっと抱っこしているのを見ているのが忍びなくて寝てはいられませんでした。長く、実家を頼らない生活を続けてきたので、急に甘えるのって難しいものです。

 

つらいとそのことばかり考えてしまう自分に、長男に対する愛情が薄いんじゃないかと心配になってきました。あれもこれもしてあげなきゃと思うだけで焦って、できない自分は「もしかして帝王切開のせいなのかも」と不安に感じました。1ヶ月検診のときに、出産に立ち会ってくれた看護師さんに話すと「痛いときは誰でもそうなのよ」と言ってくれました。「体は必ず元気になるから、もう少し待ってみて」と。自分に対して待ってあげる、初めての感覚でした。

 

待ってあげられたわけではありませんが、3ヶ月も経つと体のだるさもスッキリしてきました。そして、ある日長男がにっこりと笑ったのです。「はじめは笑わない」と言われていたし、笑わないからといってかわいくないわけでは決してなかったのですが、その笑い顔のかわいらしさ、もうメロメロでした。

 

「かわいい?」と自分に問いかけることなど今は全くありません。自分の育児に自身がついたわけではありませんが、長男がたった一人のかけがえのない大切な存在だと言うことは、しっかりわかっています。帝王切開で産んだことを気に病んだことなど、なんだったんだろう、と思うくらいです。